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肩関節の3つのポジションにおける関節可動域の制限因子の特定方法と理学療法評価。

 
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愛媛松山市の理学療法士。病院に行かない文化を作り、健康に関するリテラシーを高めることをコンセプトに、痛み・スポーツ障害・姿勢改善・動作改善のコンディショニングを行なっています。一般向け・セラピスト向けに日常生活や臨床に役立つ身体に関する健康情報などを配信しています。詳しくはプロフィールまで…
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どうも。薬師寺です。

今回の記事を書く理由は、単純に自分が欲しいから。

 

そして、自分のブログを普段から読んで頂いている方にも役立ててもらえればと思い記事として残しておこうと思います。

 

今回は、肩関節の各ポジションにおける筋バランスの変化についての記事。

 

肩関節疾患を臨床で診る機会が多いので、

肩関節の評価や治療を考えながらしているわけです。

 

その中で、

肩関節における基本的なポジションとして、

ファーストポジション、セカンドポジション、サードポジションの3つのポジションを用いて評価をするケースが多いです。

 

関節可動域測定を行う際にも、この3つの肢位での評価を行うと思います。

 

今回は、この3つの肩関節のポジションからみた伸張される筋肉や短縮される筋肉のバランスや関係性を解説していきます。

 

 

肩関節で重要な2つの機能

 

  • 運動性
  • 支持性

 

肩関節が関節として機能するためには、上記の2つの機能が必要になります。

 

この支持性というのが、いわゆる安定性です。

肩関節で言えば、肩甲胸郭関節などが安定性の関節になります。

 

つまり、

この肩甲骨(肩甲胸郭関節)の安定性が低下していると、肩関節は支持性が低下してしまい、肩関節の機能低下に繋がります。

 

そして、支持性も運動性も相互性の作用になっているため、支持性が低下すると運動性が低下しますし、運動性が低下すると支持性が低下します。

 

肩関節の運動性でいうのであれば、肩甲上腕関節。

 

肩関節の3つのポジションでの評価

 

肩関節を評価する上で、、

  1. ファーストポジション(1stポジション)
  2. セカンドポジション(2ndポジション)
  3. サードポジション(3rdポジション)

 

この3つのポジションを学生の時に習った関節可動域評価の際にも使います。

そして、実際の臨床の理学療法評価にも用いることが多いです。

 

では、、

なぜこのポジションで評価をするのか。

 

肩関節に限らず、理学療法評価を行い際には、

  • どの動きで痛いのか
  • どの動きが硬いのか
  • どの部位が弱いのか
  • どの組織に問題があるのか

 

この辺を明らかにしていく作業が求められます。

 

その際に、

肩関節の3つのポジションに分けて動きを確認することで、どの部位が硬さがあり、肩関節の機能障害の原因になっているのかをある程度見極めたした状態でアプローチをすることが可能になります。

 

そのため、3つの肩関節のポジションにおいての短縮筋や伸張筋などを理解して頭に入れておくだけでも臨床での仮説が立てやすく、検証作業を行う際にもスムーズに治療に移すことが可能です。

 

内旋・外旋動作で肩関節を評価

 

当然ですが、、

 

肩関節の1stポジション、2ndポジション、3rdポジションでの評価をする際には、

肩関節の内旋動作・外旋動作にて評価をします。

 

肩関節の3つのポジションでは、

肩関節の屈曲や伸展動作は行わないわけですが、

 

  • 上方組織が硬いのか
  • 下方組織が硬いのか
  • 前方が硬いのか
  • 後方が硬いのか
  • 内側が硬いのか
  • 外側が硬いのか

 

などなど。

 

肩関節は球関節であって、、

360°全方向の運動が重なり、協調して可動した結果が肩関節の屈曲や伸展動作や内外旋動作に繋がります。

 

つまり、肩関節の3つのポジションでは、

内旋・外旋動作を中心に評価を行いますが、肩関節の全ての運動方向の制限因子をある程度特定することに繋がります。

 

肩関節のポジション別のROM制限因子

 

【1stポジション】

<外旋>

  • 棘上筋前部線維
  • 肩甲下筋上部線維
  • 腱板疎部(烏口上腕靭帯)
  • 前上方関節包
  • 上関節上靭帯

 

<内旋>

  • 棘上筋後部線維
  • 棘下筋上部線維(横走線維)
  • 後上方関節包

 

【2ndポジション】

<外旋>

  • 肩甲下筋下部線維
  • 前下方関節包
  • 前下関節上腕靭帯

 

<内旋>

  • 棘下筋下部線維
  • 後下方間接包

 

【3rdポジション】

<外旋>

  • 大円筋
  • 前下方関節包

 

<内旋>

  • 小円筋
  • 後下方関節包
  • 後下方関節上腕靭帯

 

肩関節の3つのポジションでの制限因子

 

1stポジションについて

 

外旋】

  • 伸張組織:肩関節前方組織・上方組織
  • 圧迫組織:後方組織

 

1stポジションでの外旋動作の特徴として、、

骨頭が後方移動します。

つまり、、

前面が伸張され、後面が圧迫されます。

 

【内旋】

 

  • 伸張組織:肩関節後方組織・上方組織
  • 圧迫組織:肩関節前面組織・上方組織

 

1stポジションの内旋動作の特徴として、、

骨頭は前方移動します。

 

つまり、、

肩関節後方組織が伸張され、前方組織が圧迫されます。

 

2ndポジションについて

【外旋】

  • 伸張組織:肩関節前方線維・下方線維
  • 圧迫組織:肩関節後方組織・上方組織

 

肩関節を2ndポジションで外旋をすると、、

骨頭は後方移動します。

 

つまり、、

肩関節前方組織は伸張され、後方組織は圧迫されます。

 

【内旋】

  • 伸張組織:肩関節後方組織・下方組織
  • 圧迫組織:肩関節前方組織・上方組織

 

肩関節を2ndポジションで内旋すると、、

骨頭の位置が前方に移動します。

 

つまり、、

肩関節前面が伸張され、肩関節後方が伸張されます。

 

3rdポジションについて

【外旋】

  • 伸張組織:前方組織・下方組織
  • 圧迫組織:後方組織

 

肩関節を3rdポジションで外旋動作を行うことで、

 

前方組織と下方組織には伸張ストレスが生じ、後方組織には圧迫ストレスが生じます。

挟み込み(インピンジメント)の原因に繋がります。

 

3rdポジションの後方組織として、

棘下筋・上腕三頭筋・三角筋後部線維などが代表的な組織。

 

【内旋】

  • 伸張組織:後方組織・下方組織
  • 圧迫組織:前方組織・上方組織

 

肩関節を3rdポジションで内旋することで、、

骨頭の位置が前方かつ上方に移動します。

 

つまり、、

後方組織と下方組織に伸張ストレスが生じ、前方組織と上方組織に圧迫ストレスが生じます。

 

4つの組織の伸張性の判断基準

 

  • 前方組織
  • 後方組織
  • 上方組織
  • 下方組織

 

大きく分類して、

上記の4つの部位に肩関節を360度から見た時に分類できます。

 

この4つの部位の伸張性が獲得できているかの判断基準となる動きとして、、

  1. 2ndポジションでの肩関節外旋動作
  2. 3rdポジションでの肩関節内旋動作

 

この2つの動きが肩関節の動きに指標にかなり使えることが多いです。

 

2ndポジションでの外旋動作は、

肩関節前方組織と前下方組織の伸張性の判断に活用。

 

3rdポジションでの内旋動作は、

肩関節後方組織と後下方組織の伸張性の判断に活用。

 

この2つの動きは特に重要です。

 

「2ndポジションでの外旋動作」と「3rdポジションでの内旋動作」

 

この2つの動作がフルレンジで獲得することが出来れば、、

肩甲上腕関節の可動域はフルで獲得出来ていると言える判断材料になります。

 

肩関節の制限因子を細かく評価する方法

 

今回は、プラスαとして、肩関節の制限因子をより細く評価する方法もお伝えします。

 

上記の記事の中では、、

肩関節の評価としての基本は、3つの肩関節のポジションを利用して評価していくことをお伝えしました。

 

しかし、、

肩関節は球関節であり3軸性の関節です。

 

つまり、、

3つのポジション以外での可動域制限の制限因子も評価する必要がある。

 

ということです。

 

大まかな可動域や制限因子のチェックに関しては、上記の3つのポジションを使って伸張組織と圧迫組織を把握することでアプローチによっても結果が出やすい状況を作り出すことができます。

 

しかし、、

細かく詳細を評価しようと思えば、、

 

例えばですが、、

 

1stポジションの外旋から2ndポジションの外旋動作にかけての可動域変化をチェックする。

↓↓

要するに肩関節外転角度を増していくに連れて外旋の動きがどの様に変化していくかをチェックすることが必要になってくるということです。

 

2ndポジションの内旋から3rdポジションの内旋動作にかけての可動域変化をチェックする。

↓↓

肩関節の動きで言えば、水平外転した状態から水平内転を伴いながら内旋を入れていった際の肩関節の反応を評価することで、詳細にどの位置のどの場面で制限があって制限因子になっていそうな組織が前方なのか、後方なのかを明確に特定しやすくなるわけです。

 

上記は、例えで紹介させて頂きましたが、

可動域も球関節であり広い関節可動域がある分、細く見ていく場面も必要になってくるということですね。

 

まとめ

 

今回は、肩関節の各ポジションにおける関節可動域の制限因子の特定の仕方や理学療法評価の方法を紹介させて頂きました。

 

下肢の疾患と比較して、肩関節など上肢の疾患を診る機会は少ないと思いますが、クリニックや外来の整形外科やスポーツ選手などを診る際には肩関節を診る機会もあると思うので参考にしてみて下さい。

 

ではでは( ´ ▽ ` )

 

 

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