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スウェイバック姿勢。臨床に役立つ評価ポイントと効果的な治療アプローチを解説。

 
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愛媛松山市の理学療法士。病院に行かない文化を作り、健康に関するリテラシーを高めることをコンセプトに、痛み・スポーツ障害・姿勢改善・動作改善のコンディショニングを行なっています。一般向け・セラピスト向けに日常生活や臨床に役立つ身体に関する健康情報などを配信しています。詳しくはプロフィールまで…
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今回はスウェイバック姿勢について解説。

 

臨床やっていても、現代人の10人に8人くらいはスウェイバック姿勢なんじゃないかと思うくらい多い姿勢パターンとなっているのがスウェイバック姿勢です。

 

スウェイバック姿勢になることで起こる身体への影響や実際の評価・治療ポイントまで解説します。

 

スウェイバック姿勢とは

 

スウェイバック姿勢には2パターンあります。

1パターン目…

  1. 胸椎屈曲の増大
  2. 腰椎の過伸展
  3. 骨盤前傾もしくは中間位
  4. 骨盤前方シフト

 

2パターン目…

  1. 頚椎の過剰伸展
  2. 胸腰椎の過剰な屈曲
  3. 骨盤後傾もしくは中間位
  4. 骨盤前方シフト

 

これがスウェイバック姿勢のパターンになります。

 

現代人のほとんどが、スウェイバック姿勢であり、スウェイバック姿勢も2パターンに分類されるためどちらのアライメントに近いかを評価することが必要になってきます。

 

スウェイバック姿勢の身体への影響

 

スウェイバック姿勢がどのような身体への悪影響を及ぼすかですが…

  • 頸部痛
  • 肩こり
  • 腰痛
  • 坐骨神経痛
  • 変形性股関節症
  • 変形性膝関節症

 

などなど…

  1. 疼痛
  2. 可動域制限
  3. 筋力低下

 

上記の機能障害に直結することが多く、

筋力低下や可動域制限があるからスウェイバック姿勢になるというより、

スウェイバック姿勢を普段の日常から取り続けているから筋力低下や可動域制限、痛みなどの機能障害に繋がってくるという順序が多いです。

 

上位交差性症候群について

スウェイバック姿勢のパターンを上記で解説しましたが、臨床上、合わせて押さえておく必要があるのが上位交差性症候群について。

 

「スウェイバック姿勢」 + 「上位交差性症候群」

このパターンになっている人も非常に多いため理解しておきたいポイントになります。

 

上記の図が上位交差性症候群について。

 

ヘッドフォワードポスチャーも言ったりしますね。

肩関節の肩峰付近を支点として、対角線上にラインを引くような状態で短縮筋と伸張筋が分かれる状態になっていることが非常に多いです。

 

この上位交差症候群は、スウェイバック姿勢やフラットバック姿勢に合わせて伴っていることが多く、姿勢の評価・治療を進めて行く際には見逃せない部分になってきます。

 

スウェイバック姿勢は2パターンに分類できると解説しましたが、2パターン共に共通している部分が骨盤の前方シフトです。

 

骨盤が前方にシフトすることによって、下肢の重心位置が前方にシフトします。

 

モーターコントロールとして、前後のバランスを保つことによって立位保持など姿勢保持を行なっているため、骨盤前方シフトに伴って、胸腰椎の重心位置が必然的に後方に移動する。胸腰椎部分が後方に過度に移動するため、頚椎、頭部は前方に移動する。

 

こういった姿勢パターンになりやすく、

  • 「骨盤周囲」から「上部体幹・頭頸部」への影響
  • 「頭頸部・上部体幹」から「骨盤周囲・下肢」への影響

 

この辺りを評価する必要があります。

 

スウェイバック姿勢の姿勢制御パターン

胸腰椎が屈曲する。

骨盤が前方シフトする。

 

スウェイバック姿勢に特徴的なアライメントは理解でできたと思いますが、どの部分をどうやって使って姿勢制御をしているかを見極める必要があります。

 

スウェイバック姿勢における姿勢制御パターンで多いパターンとして…

  1. 大腿直筋・TFL・腸腰筋の筋張力を使って姿勢保持
  2. 腸骨大腿靭帯・ITBの靭帯性の姿勢保持
  3. 胸腰椎移行部を過伸展することで姿勢保持

 

上記の部分を使った姿勢制御を行っていることが多く、逆に殿筋群・ハムストリングスなど主要な姿勢保持筋は全く使用せずに2関節筋などを過剰に使用し保持している状態となっています。

 

そして、腸腰筋は姿勢保持の際に股関節や人体の構造上で中心軸となる部分のため機能する必要がありますが、スウェイバック姿勢においては、筋の伸張性(張力)を利用して保持しています。

 

姿勢不良の初期には腸腰筋は過剰に作用すると報告がされてますが、

結果的には機能不全に至って筋肉自体を固めてしまっていることが多い。

 

ですが…

 

スウェイバック姿勢の初期段階では、、

腸腰筋など股関節前面筋群を過剰に使用することで姿勢制御を行い、腸腰筋の過剰使用によって共同筋であるTFLや大腿直筋を使用した姿勢制御に変化し、股関節や膝関節の機能不全に至る流れが多いです。

 

スウェイバック姿勢に限らず…

動作における主動作筋だけでなく、共同筋を理解しておくことがポイントであり、主動作筋の過剰使用や逆に全く使用しなければ必然的に共同筋が優位に使用されるということも知っておきたい知識です。

 

スウェイバック姿勢の評価ポイント

  1. 頭頸部アライメント
  2. 胸郭の可動性
  3. 胸椎伸展可動域
  4. 骨盤前後傾のコントロール
  5. 骨盤前後方向へのコントロール

 

各パーツで見れば上記の部位を中心的に評価する必要があります。

 

足部や膝関節からの影響もあり、足底の荷重位置などの修正を行えば上行性運動連鎖によって変化が出ることがありますが、スウェイバック姿勢では体幹・骨盤・股関節などの中枢に近い部分から末梢への影響の方が圧倒的に多い印象があるので評価・治療部位としての優先度が高いのは脊柱・体幹・骨盤・股関節部などの中枢に近い部分だと自分は考えています。

 

そして、セラピストとして身体をコントロールする上で見ないといけないのが筋肉の影響です。

  1. 頭板状筋・後頭下筋群の柔軟性
  2. 頸長筋の筋力
  3. 大胸筋・小胸筋の柔軟性
  4. 僧帽筋上部線維・肩甲挙筋の柔軟性
  5. 僧帽筋中部・下部線維の筋力
  6. 腹直筋の柔軟性
  7. 外腹斜筋の筋力
  8. 腸腰筋の柔軟性・筋力
  9. 大臀筋の柔軟性・筋力
  10. ハムストリングスの柔軟性・筋力
  11. 大腿直筋・TFLの影響
  12. 下腿前面筋群と下腿三頭筋の筋バランス

 

上記のポイントは評価・治療の優先度が高い筋群です。

 

自分が臨床をやっている中での感覚ですが…

頭頸部のアライメントに関しては、

頸部の伸張されている部分の筋力トレーニングをガンガンするというよりは、

 

頸部後面や胸部前面の短縮されている部分の柔軟性を出すこと。

頸部後面・胸部前面を伸張位、エロンゲーション、軸伸長で使える感覚の学習と胸椎部分の筋群を使用して頚椎を支持出来る状態を作ることで頭頸部のアライメントが整うことが多いです。

骨盤周囲・股関節周囲の腸腰筋・殿筋群・ハムストリングスにおいては、柔軟性・筋力共に評価する必要があり、スウェイバック姿勢では、大臀筋・ハムストリングスは筋活動が低下しています。

 

スウェイバック姿勢の特徴的なアライメントとして、骨盤前方シフトします。骨盤が前方にシフトするということは、身体の後面の筋群は短縮位で前面筋群は伸張された状態になります。

 

つまり、長期にわたって後面筋群は短縮位で使用することで殿筋群やハムストリングスの伸張性・柔軟性も低下しやすくなり、前面筋群である腸腰筋や大腿直筋は伸張位で固まってしまいます。

 

スウェイバック姿勢の修正のためのキューイング

 

スウェイバック姿勢の修正をするためのキューイングです。

筋力トレーニングや関節可動域制限の改善をするのももちろん必要なことですが、

クライアント自身に自分の姿勢がおかしいという事に自分の身体の内的な意識や感覚で気付いてもらう必要があります。

 

自分で正しい姿勢に修正できるようにキューイングや指導を行うだけでも機能障害の改善に繋がるケースがあります。

 

キューイングにも種類があり…

  1. ビジュアルキュー(視覚情報)
  2. タックタイルキュー(触覚刺激)
  3. バーバルキュー(聴覚情報)

 

セラピストはタックタイルキューばかり使いがちになります。触りたがりです。

 

ビジュアルキューやバーバルキューも使えるとその場で臨機応変にキューイングを使い分けることができます。

 

今回はバーバルキュー(聴覚刺激)を使用してスウェイバック姿勢を修正する方法をご紹介します。

スウェイバック姿勢の修正のバーバルキュー

  1. 腰を反らないように胸をしっかり張る
  2. 腰を反らないように軽くお腹を引き締める
  3. お尻の穴をしっかり締める(大腿骨外旋)
  4. お尻を穴を締めたまま恥骨を前に出す
  5. 足首が見える位置まで骨盤を後ろに引く

 

この辺のキューイング結構使えます。

実際に自分も臨床で表現も変えながら使ったりしてます。

 

ポイントとしては、骨盤の前方シフトを修正して殿筋群やハムストリングスを作用させたいためその部分を修正するために理解できやすい表現を提示するべきです。

 

治療アプローチのポイント

スウェイバック姿勢を修正するための治療アプローチのポイントです。

 

  1. 腸腰筋の柔軟性
  2. 大腰筋のリバースアクション機能
  3. 大腰筋の求心性収縮
  4. 大殿筋の筋力
  5. 中殿筋の筋力
  6. ハムストリングスの柔軟性
  7. ハムストリングスの遠心性収縮
  8. 骨盤と腰椎の分離性
  9. 骨盤前後傾コントロール
  10. 腹斜筋群の筋力
  11. 腹直筋の柔軟性・伸張性
  12. 大胸筋・小胸筋の伸張性
  13. 僧帽筋中部・下部線維の筋力
  14. 胸椎伸展可動域
  15. 胸腰椎の分離性
  16. 腰背部の柔軟性
  17. 胸郭の可動性
  18. 後頭下筋群の伸張性
  19. 下腿筋群の柔軟性
  20. ウナ荷重

 

ざっと20個ピックアップしましたが、これも一部だと思います。

スウェイバック姿勢の治療アプローチを臨床でやっていての印象ですが…

  1. 脊柱
  2. 骨盤
  3. 股関節

この3つの位置関係を修正出来れば、末梢部分も自然に正しい方向に修正されることが多いです。

 

股関節周囲筋群(特に殿筋群)の筋力exの際に最終域で力が発揮できないケースが多く、

スウェイバック姿勢に限らず姿勢修正のためにはレンジの最終域での筋力がしっかり発揮できなければなかなか姿勢改善に繋がりにく印象があるので、関節可動域いっぱいに筋力を発揮できるようサポートしてトレーニングしていくことが重要だと感じています。

 

この3つの部位に付着する筋群やアライメントや動作分析から仮設して評価・治療を進めていくことで治療の前後において変化が出しやすくなると思います。

 

Sway Back姿勢修正のエクササイズ動画

 

股関節はめ込みエクササイズ

 

腸腰筋の遠心性収縮

 

HIP UPエクササイズ

 

大臀筋・内転筋エクササイズ

 

胸椎伸展エクササイズ

 

腸腰筋のエクササイズ

 

ハムストリングスのセルフストレッチ

 

まとめ

※スウェイバック姿勢のまとめ動画

 

スウェイバック姿勢の評価・治療アプローチ方法などご紹介しました。

 

トレーニングも複雑なことをする必要はなく、簡単なトレーニングでもいいので、しっかりと目的としている場所の収縮を入れることが出来ることが最も重要だと感じています。

 

自分が臨床をやっていて感じている主観的な部分も入れて見たので参考にできる部分があれば使ってみてください。

 

 

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