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学校では教えてくれない!!人間の本当に必要な抗重力位での姿勢と筋活動。どこの筋肉が働くかが重要なポイント!!

 
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愛媛松山市の理学療法士。病院に行かない文化を作り、健康に関するリテラシーを高めることをコンセプトに、痛み・スポーツ障害・姿勢改善・動作改善のコンディショニングを行なっています。一般向け・セラピスト向けに日常生活や臨床に役立つ身体に関する健康情報などを配信しています。詳しくはプロフィールまで…
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地球上に重力がある限り、人間は抗重力位で生活していかなければならないという使命があります。

しかし、現代人のこの抗重力位での姿勢や筋活動は、

身体の使い方が誤っていることが多く、不必要な筋活動も見られます。

現代人の抗重力位での姿勢と本当に取るべき姿勢がどのような姿勢なのか解説します。

現代人の抗重力位での姿勢

現代人の抗重力位での姿勢はどうなっているでしょうか…

今回は立位姿勢を中心にお伝えしていきます。

現代人の姿勢を解説すると、

・拮抗筋に力が入りすぎている

・筋肉で立っている

・身体を固めて立っている

・自分の重心の位置を正確に感知できていない

こういった状態になっています。

静止立位で言えば、大腿四頭筋や中臀筋に持続的に収縮が入り続けている状態の方が非常に多いと言われています。

教科書に書いてある抗重力位での姿勢保持筋

学生の時に習った抗重力位での姿勢保持筋。

脊柱起立筋・腹筋群・腸腰筋・大腿筋膜張筋・大腿二頭筋・腓腹筋・ヒラメ筋・前脛骨筋などが安静立位での姿勢保持筋と言われています。

簡単いに言えば、身体の全面の筋肉と背面の筋肉が上手く協調的に働いて姿勢保持をしています。

確かに、教科書の書いてあることは正しいです。

でも、現代人は筋肉を必要以上に使い過ぎているんです…

姿勢保持に使うエネルギー量や筋肉は最小限にする必要がある…

知っていましたか?
人間は筋肉が無くても骨と靭帯があれば立位が取れるんですよ??

だから、筋肉で立つのではなく、骨で立つことが重要!!

筋肉を使って立つ姿勢が良くない理由

筋肉を使って立つことで身体を固めてしまいます。

その筋肉というのもアウターマッスルと言って身体の表面にある大きな力を発揮する時に使う筋肉を使って姿勢保持をしようとしてしまいます。

そして、身体を固めるということは関節の動きも固めてしまうということ。
本来人間は、関節は1つ1つ細かく動くものですが、生活の中で身体を固めて使うことを覚えてしまうことで、関節の細かい動きが分からなくなります。

例えば…
背骨は頚椎・胸椎・腰椎・仙骨・尾骨とそれぞれ役割や動きは全て違います。
でも、筋肉を余計に使った姿勢・動作になることで関節の動きの感知が悪くなってしまう。

それは、どういうことかというと、

自分の姿勢の重心の位置が感知できない。

別の言い方をすれば、

自分のカラダの使い方が分からない。

ということ。

だから、動作能力の低下に繋がったり、スポーツの場面でもパフォーマンス低下に繋がるんです。

骨で立つ=骨に近い筋肉が働くこと

筋肉で立つのではなく骨で立つ。

骨で立つために必要な要素は、

・重心線が通る位置を整える。

・身体が緩んでいる。リラックスした状態にあること。

・背骨に近い筋肉が働くこと(インナーマッスルが働く)

です。

1つ1つ説明していきますね。

骨で立つことについて動画で解説しています
↓↓

重心線が通る位置を整える

重心線が通る位置というのは、

身体がリラックスした状態。緩んだ状態を作れる重心線。つまりセンターライン。

その重心線がどこを通るかというと、

背骨の前側です。

この重心線が通る位置がズレてしまうことで、身体のアウターマッスルが収縮してしまい、重心の位置を感知しにくくなる。感覚情報が感じ取りにくい状態になる。

といったことが起こります。

だから、背骨の前のカラダのセンターラインに重心線を落とし込むことが大切と言われています。

そして、その重心線も無意識化、潜在意識化になるまで落とし込むことが重要です。

身体が緩んでいる。リラックスした状態にある。

重心線を通る位置をセンターラインに落とし込むことができれば身体は自然に緩んだ状態を作ることができます。

緩んだ状態というのは、ニュートラルな状態。

車のギアでもニュートラルってありますよね…
あれと同じで、どの方向にも動き始めることが出来る状態がニュートラルです。

また、身体が緩んでいる。リラックスした状態にあればメリットしかありません。

自分自身の身体では動き方を感知しやすくなる。

治療場面であれば、患者さんを触って相手からの情報を引き出しやすくなる。

どういった場面でも身体が緩んでいる。リラックスした状態。

というのは非常に大事なんです。

もう1点加えて、筋肉が緩んだ状態にあると、筋肉の中にある筋紡錘という圧受容器が感知しやすくなり、重心の位置や自分の身体がどうなっているかなど感知しやすくなります。

背骨に近い筋肉が働くこと(インナーマッスル)

筋肉を極力使わず、骨で立つことや身体を緩めた状態にするにはインナーマッスルの活動が必要不可欠。

背骨の前側をセンターラインの重心線が通るべきだとお伝えしましたが、

特に、下部体幹部分が大切だと言われており、

筋肉名で挙げれば、大腰筋・骨盤底筋群・ハムストリングスの収縮が重要です。

下部体幹が大切な理由は、人間の立位姿勢での重心が下部体幹や、仙骨前方にあるため。

現代人の立位姿勢はアウターマッスルを優位に使用した姿勢制御を行なっており、体幹部であれば、腰背部筋を必要以上に使用していると言われています。腰背部筋と大腿四頭筋は協調的な運動をする筋肉なので、腰背部筋の緊張が上がれば、自然と大腿四頭筋が優位の姿勢制御・立位姿勢となってしますのです。

この大腰筋・骨盤底筋群・ハムストリングスを抗重力位で機能させてあげるだけで軸が通った身体になり、いわゆる骨で立つことができる。動作をするときに筋収縮を最小限に抑えることができるんです。

インナーマッスルというのは自分自身の意思で動かすことは出来ないため、潜在意識下で働かせるまで訓練することが大切ですね…

大腰筋とハムストリングスについて

今回は抗重力位で大切な大腰筋とハムストリングスの機能や役割についてお伝えします。

他にも大切な筋肉などありますが、話し出すとキリがないので…笑

初めに、大腰筋とハムストリングスは拮抗関係にあります。

だから、どちらかの機能が悪かったり偏った使い方をしていると、関係ないところにも影響が出てくるということです。

この2つは人間が姿勢保持をする際や動作の際にめちゃめちゃ大事な筋肉なのでポイントを押さえておく必要がありますね。

大腰筋とハムストリングスを機能させることができれば、カラダを緩んだ状態にすることができ、センターラインに重心線を落とすことが出来ます。

大腰筋の機能解剖と役割

起始:Th12〜L5の横突起

停止:小転子

神経:大腿神経及び腰神経叢

作用:股関節屈曲・外旋

これが教科書に書いてある大腰筋の起始停止・神経・作用です。

でも、臨床で患者さんを診ていくときにはこの情報だけでは不十分です。

もっと重要な役割が大腰筋にはあります。

大腰筋を画像で確認・触診

大腰筋の起始・停止が分かっていても実際に3Dでイメージすることが大事です。

そして、起始停止を知っていても触れないと全く意味がありません。

大腰筋の機能解剖と触診方法について動画で解説しているのでご覧ください。
↓↓

大腰筋の機能について

大腰筋の機能は股関節の屈曲・外旋、体幹屈曲の作用がありますがそれだけでは不十分。

簡単に機能をまとめてみました。

  • 脊柱を左右から安定させる
  • 横隔膜と連結している(呼吸と関与)
  • 抗重力位での衝撃吸収機能
  • 下腿や大腿の痺れや痛みと関与(腰神経叢)
  • 骨盤内筋膜と連結

言葉で書いても分かりにくいので動画でも説明しています。
↓↓

大腰筋の運動療法について

今回は特別に大腰筋の運動療法で考えることについて加えてお伝えします。

運動療法は色んな方法がありますが、大腰筋という1つの筋肉にしても、股関節の角度や体幹の傾き、目的によっても全然変わってきます。

臨床でただ、大腰筋の筋力を鍛えたい。
だから、とりあえず股関節屈曲運動を繰り返すだけでは全く意味がありません。

素人でもそんなこと出来ます。

今回は大腰筋の股関節の屈曲角度による作用についてお伝えします。

基本的に大腰筋の股関節屈曲角度の違いにおける作用は、

・0〜15° → 股関節を安定させる

・15〜45° → 脊柱を安定させる

・45〜90° → 股関節を屈曲させる

このように角度によって作用が全然違います。

動画で詳しく説明しています。
↓↓

そのため、しっかり目的に合わせた方法で運動療法を行うことが大切なんです。

ハムストリングスの機能解剖と役割

ハムストリングスは3つの筋肉で構成されていると言われています。

大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋
この3つの筋肉が合わさってハムストリングスです。

・大腿二頭筋

起始:長頭 坐骨結節(坐骨)
   短頭 大腿骨外側後面

停止:腓骨頭

神経:長頭 脛骨神経
   短頭 腓骨神経

作用:膝関節屈曲・股関節伸展、外旋

・半腱様筋

起始:坐骨結節

停止:鵞足(脛骨上部内側面)

神経:脛骨神経

作用:膝関節屈曲・内旋、股関節伸展・内旋

・半膜様筋

起始:坐骨結節

停止:脛骨内側顆

作用:膝関節屈曲・内旋、股関節伸展・内旋

ハムストリングスといっても、

内側ハムストリングスと外側ハムストリングスがあるため作用も違います。

ハムストリングスも大腰筋と同じでしっかり触診できることが重要で、作用も膝関節屈曲ですが、抗重力位になった時の作用を知ることが重要です。

抗重力位ではハムストリングスが大事

現代人は、立位姿勢では大腿四頭筋を優位に使用しています。

しかし、それは間違いです。

大腿四頭筋に力が入ると全身に力が入り分離した運動を阻害します。

立位姿勢などの抗重力位ではハムストリングスで立つことが重要。

なぜなら、人間のカラダを通るセンターラインの重力線がハムストリングスを通過するから!

だから、ハムストリングスで立つことが必要不可欠。

しかも、ハムストリングスといっても起始から停止まで長く2関節筋なのでどこを働かせるかが大事です。

抗重力位ではハムストリングスの起始部を働かせることが立位での安定性には必要と言われています。

膝関節周りのハムストリングスを働かせてしまうと膝が曲がってきてしまう。
股関節周囲のハムストリングスを機能させることで、歩行での前方への推進力も生まれ、緩んだカラダを作ることができます。

ハムストリングスで立つことの重要性を動画で説明しています。
↓↓

大腰筋にもハムストリングスにも他の筋肉にも言えること

今回は大腰筋とハムストリングスの機能解剖や触診・運動療法についてお伝えしましたが、どこの筋肉にも共通して言えることは…

筋力トレーニング + 抗重力位で機能させる(正中線を整える)=身体能力

といった風に自分は考えています。

筋力訓練をしただけで終わりじゃ全く意味ないです。

筋力付けて動作や抗重力位で使えるようにするのが本当に必要なアプローチです。

極論を言えば、
人間は抗重力位で本来力を使うべきではないですし、必要最小限にするべきなので、筋トレよりも立位姿勢や動作でどれだけ力を抜いて緩んだ状態で動作を行えるかを最優先に考えてアプローチすることの方が大事なんじゃないかな…

と僕は思っていますね。

正直なところ基本動作でMMT5もいらないです

正直なところ理学療法士は、筋力ばかりに目が行きがちになり、筋力低下とか筋緊張亢進っていう言葉好きですよね。笑

MMTが3しかない。やばい。筋トレしよう。

みたいな流れになってないですか?

筋トレ筋トレってなり、ボディービルダー養成校みたいになってますよね。

歩行で言えば、MMT2+〜3あれば正常歩行が出来ると言われています。

MMT5も必要ないです。
むしろ、MMT5の力で歩行していたらすぐ疲れて長い距離歩けないです。

だから、今回は抗重力位の立位姿勢を中心にお伝えしていますが、歩行でも他の基本動作でもどれだけ力を使わずに緩んだ状態で動作が行えるかがポイントです。

まとめ

  1. 現代人は力が入りすぎ
  2. 筋肉じゃなく骨で立つ
  3. インナーマッスルを潜在意識下で働かせる
  4. 正中線・センターラインを整える
  5. 大腰筋とハムストリングスを機能させる
  6. 筋トレだけじゃ不十分
  7. 筋トレよりカラダの使い方を知ることの方が重要

今回は大腰筋・ハムストリングスを中心にお伝えしましたが、抗重力位で大切な機能は他にもあります。

今後のブログでも紹介していけたらと思います。

腸腰筋について知り尽くしたい方はこちらから

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