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学校では教えてくれない。セラピストが知らない膝関節の機能解剖学!!

 
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愛媛松山市の理学療法士。病院に行かない文化を作り、健康に関するリテラシーを高めることをコンセプトに、痛み・スポーツ障害・姿勢改善・動作改善のコンディショニングを行なっています。一般向け・セラピスト向けに日常生活や臨床に役立つ身体に関する健康情報などを配信しています。詳しくはプロフィールまで…
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学校では教えてくれないシリーズ!!

今回は、膝関節の機能解剖学。

 

臨床では、

  • 膝関節屈曲制限
  • 膝関節伸展制限

など…

 

機能解剖学を理解していなければ、アプローチしても中々改善できないケースが多いのが膝関節。

 

筋肉の起始と停止だけ知っていても、改善できないケースが多い。

そんな膝関節の解剖学・運動学を今回はお伝えします。

 

 

膝関節の関節構造の特徴

 

 

まず基本的な関節の構造の特徴。

 

膝関節の動きとしては、

  • 屈曲
  • 伸展
  • 内旋
  • 外旋

 

この動きが一般的。

 

そして、関節には、得意な動きと苦手な動きがあります。

 

膝関節においては、

  • 屈曲と伸展は、得意な動き。
  • 回旋方向は、苦手な動き。

 

 

この苦手な動きである回旋を大きく伴ってしまうことで関節が壊れてしまう。

 

つまり、

  1. 痛みが出る
  2. 変形する

 

こういったことに繋がってくる!!

この関節の動き方の特徴を知っておくことはどの関節を視る上でもめちゃくちゃ重要です。

 

脛骨大腿関節(FT関節)の特徴

 

 

 

動きの組み合わせてとして以下のようになります!!

  • 膝関節屈曲運動

脛骨内旋 + 脛骨前方移動 + 大腿骨外旋 + 大腿骨後方移動

 

  • 膝関節伸展運動

脛骨外旋 + 脛骨後方移動 + 大腿骨内旋 + 大腿骨前方移動

 

膝関節の動きを出していくときに、

  1. 屈曲運動の時に、脛骨の内旋を出していく。
  2. 伸展運動の時に、SHMの脛骨の外旋を誘導していく。

 

このような誘導方法をする方は多いですが、

脛骨に対して、大腿骨のアライメントも考慮して膝関節のROM訓練などのアプローチを行なっていく必要があります。

 

例えば…

膝関節OAで大腿骨が過剰に外旋位で固定されている症例の場合。

 

膝関節伸展を出していく時に脛骨を外旋させながらの運動を誘導しても、そもそも大腿骨が外旋位にあって、本来必要な内旋方向の動きが入らない訳なので過剰に外旋を誘導しなければいけないという状況になってしまいます!!

 

そのため、

この場合では、脛骨の外旋を促してSHMを出していくよりも先に、大腿骨のアライメントを修正するところからアプローチをしていくほうが膝関節のROM訓練としては効果的なケースなどあります。

 

 

また、ROM訓練においては、FT関節は外側関節面が優位に動き、内側関節面へ運動がシフトするのは深屈曲の際なので、関節面の動きも意識して膝関節を可動させていくことも重要なポイントになります!!

 

スクリューホームムーブメント(SHM)の原理について

 

 

スクリューホームムーブメントのメカニズム

  1. 脛骨と大腿骨の関節の構造上
  2. ACLの伸張に伴う緊張が緩む後方への誘導

 

1つは関節の構造上の問題で、内側関節面より外側関節面のほうが動き、可動性が大きいため最終域で脛骨が大腿骨に対して外旋方向に可動する状態になります。

 

そして、ACLの影響で下腿が外旋する。

ACLは、膝関節伸展+内旋位で緊張します。

 

そこで、膝が伸展した時に外旋方向に緩む状態が生まれることによって脛骨の外旋が入り、スクリューホームムーブメントが生まれます。

 

もし、膝関節最終伸展域で脛骨の外旋が入らず、脛骨が内旋方向に過剰に動いてしまうということがあれば、ACL損傷の可能性が疑われますね!!

 

 

膝蓋大腿関節(PF関節)の特徴

 

大腿骨と膝蓋骨(パテラ)が成す関節をPF関節と言います。

 

この関節の特徴で理解しておく必要があるのが、

  1. パテラと大腿骨の接触面の関係性
  2. パテラの動き

 

 

  • 屈曲20°  →  パテラ下方と接触
  • 屈曲45°  →  パテラ中央と接触
  • 屈曲90°  →  パテラ上方と接触
  • 屈曲135° → 内外側関節面と接触

 

このような大腿骨とパテラの関節面の関係性があります!!

 

この関節面の接触の関係性をどのように臨床に活かすか?

 

例えば、

パテラ骨折のケースで考えれば、

筋力訓練など筋肉の収縮を入れていく時に骨折部と大腿骨が接触しない状態で訓練をしていきたいので、

 

パテラの骨折部が上部なのであれば、

トレーニングや筋収縮を入れていく時には、屈曲角度をできるだけ浅くして訓練を行なっていく必要性が考えられます。

 

どれもケースバイケースだと思いますが、この様にして治療に使えますし、

他にもPF関節の可動域制限を評価したり、考えていく時にも必要になる知識だと思います!!

 

 

Qアングルと膝蓋骨(PF関節)の関係性

 

 

  • Qアングル

「上前腸骨棘〜膝蓋骨を結ぶ線」と「膝蓋骨上方〜脛骨粗面を結ぶ線」の成す角度!!

 

 

Qアングルが大きくなるということは、

  1. 膝関節が外反位になる
  2. knee-in傾向

 

こういった状態になっているということですが…

 

パテラ(PF関節)とQアングルの関係性として、

 

基本的に、Qアングルが増大すると、

パテラは外側方向に変位します!!

 

そして、外側方向に変位すると外側に移動したまま固まってしまうことが多い。

だから、外反膝の人やkee-in傾向の人のパテラの動きは外側に変位して外側組織が癒着してしまう様なケースもあるのでQアングルとパテラ(PF関節)の動きの関係性については理解しておく必要があります!!

 

膝蓋下脂肪体について

 

 

こんな感じになっていますね!!

 

膝蓋靱帯と大腿骨顆間窩に付着する膝蓋下滑膜ヒダの間にあるのが膝蓋下脂肪体です。

 

 

屈曲制限にも、伸展制限にもなる膝蓋下脂肪体ですが、

この膝蓋下脂肪体が周囲の組織と癒着すれば、連結がある組織。

 

大腿四頭筋・膝蓋腱・膝蓋靱帯・FT関節前面滑膜の動きの制限に繋がります!!

 

だから、膝蓋下脂肪体は、膝関節を評価する時には切っても切れないほど大切です。

 

 

膝蓋上嚢について

 

 

大腿骨骨幹部遠位と大腿四頭筋・膝蓋腱の間に存在するのが膝蓋上嚢!!

 

膝蓋上嚢に硬さあると、マジで膝伸びないっす!!

 

大腿四頭筋遠位や膝蓋上嚢の硬さは膝関節屈曲制限の制限因子になりやすいので評価するポイントで、硬さがある場合は可動する様に癒着を取っていく必要がある場所です。

 

 

半月板損傷の評価ポイント

 

半月板の機能は…

  1. 関節の安定性
  2. 衝撃吸収
  3. 荷重の分散

 

半月板は、外側から内側にかけて薄くなり、運動のほとんどが外側半月板の動きによるもので、内側半月板の動きはわずか。

 

そして、内側半月板は、

  1. 前縦靱帯
  2. 内側側副靱帯
  3. 内側関節包

これらと連結していることで、可動性に乏しく、外側半月板に比べて内側半月板は損傷しやすい!!

 

半月板を理解する上でのポイント!!

 

  1. 内側半月板 →  半膜様筋と連結
  2. 外側半月板 →  半膜様筋膝窩筋と連結

 

ここが抑えておくべきポイント。

内側半月板損傷の際に、内側半月板の後角に付着する半膜様筋の滑走性や機能不全が生じたままであれば、膝関節の機能自体が悪くなります。内側半月板を膝関節の動きに伴って可動できる様に内側半月板に付着する半膜様筋の機能を評価していくことが大切です。

 

中心性靱帯安定化機構(ACLとPCLの関係性)

 

大腿骨と脛骨を結ぶ主要な人体に、

  1. 前縦靱帯
  2. 後縦靭帯

この2つの靱帯が存在します。

 

この2つの靱帯があるおかげで膝関節が安定します!!

 

膝関節が安定するときの原則として…

ACLとPCLの互いが捻り合う状態になることで膝関節が安定する。

 

逆を言えば、捻られていない状態で膝関節は不安定になる。

 

  1. 脛骨内旋 + 大腿骨外旋  →    膝関節安定
  2. 脛骨外旋 + 大腿骨内旋  →    膝関節不安定

 

この様な状態になります。

だから、

knee-inなどで大腿骨が内旋して、下腿が外旋しているケースなどは膝関節は不安定な状態になっているということ。

 

変形性膝関節症も下腿が外旋して、大腿骨も外旋している。

つまり、捻りが生まれていないから膝関節が不安定になる!!

 

症例を挙げて考えてもこういった状態になっており、膝関節が安定していないことが分かると思います。 

 

extension lagの本当の原因とは?

 

 

膝関節完全伸展できない状態。

extension lag。

 

この膝関節が伸展最終位で伸びきらない原因は、内側広筋の筋力低下が原因と言われてきました!!

 

でも、最近の文献や参考書では、

  1. 内側広筋より外側広筋の影響が大きい
  2. 内側広筋は膝関節最終域で活動しない

 

などなど…

新しい文献や参考書が次々に出ています。

 

内側広筋が原因になっているケースは確かにあると思いますが、最初から評価の段階で固定概念を持って評価するのは間違った結果を生むことになるので柔軟に考えて評価することが大切です!!

 

OKCとCKCでの膝関節伸展筋力

 

  • OKC(オープンキネティックチェーン)での膝関節伸展

 

膝関節伸展運動時の膝関節屈曲角度において、

膝関節屈曲60〜75°付近での膝関節伸展が、最も筋発揮できる関節角度であり、逆に膝関節屈曲15°程度の浅い屈曲角度であれば、筋長が短いため筋張力が発揮できず筋出力は低下することが証明されています。

 

  • CKC(クローズドキネティックチェーン)での膝関節伸展

 

膝関節90°屈曲位など、屈曲角度が深ければ、大腿四頭筋が優位に作用する。

それに対して、膝関節屈曲角度が軽度であれば、膝関節屈曲筋であるハムストリングスが膝関節伸展筋として作用することが証明されている!!

 

CKCにおいては、ハムストリングスも膝関節伸展に作用する重要な筋肉だと言える。

 

臨床場面での膝関節の機能の一例(変形性膝関節症)

 

 

変形性膝関節症の痛みや変形の原因として、間違いなく関与しているのが、「下腿の外旋」

内販変形を助長する要因として、下腿が外旋することで変形が進行していきます!!

 

そして、膝関節OAの人の筋活動は、

腓腹筋外側頭や大腿二頭筋やITBなどを優位に使用した動作戦略となっているケースが非常に多い。

 

だから、膝関節の外旋を助長させてしまうんです。

 

足関節や股関節の影響はもちろんありますが、

膝関節周囲に付着している筋肉で、膝関節を内旋方向に誘導してあげる筋肉を働かせてあげることは変形性膝関節症で重要なポイントになってきます!!

 

その筋肉が…

  1. 縫工筋
  2. 薄筋
  3. 半腱様筋
  4. 半膜様筋

 

この4つの筋肉が「下腿を内旋」方向に誘導する上では重要になってきます。

つまり、鵞足に付着する筋肉。

 

そして、半膜様筋は、上記でお伝えした様に内側・外側半月板に付着しており、半月板を誘導する筋肉であり、下腿内側に付着しているため下腿を内旋方向に誘導します。

 

まずはこの4つの筋肉を中心に膝関節周囲を評価・治療してみて下さい!!

 

まとめ

 

膝関節を診る上で大切なポイントなどをお伝えさせて頂きました。

 

実際に、解剖学・運動学の基礎知識があれば、応用はいくらでも利かすことができると思うので、基礎的な土台をしっかり作って臨床をやっていきましょう!!

 

 

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