アナトミートレインの知識を臨床で実践する!!〜筋膜の繋がりの触診技術を習得する〜

学生の立場でも、実際にセラピストとして臨床をやっている立場でも、
筋肉や骨のランドマークの触診の練習はする。
でも、筋膜の触診練習はしたことがない。やり方が分からない。
そういった人がほとんどなのではないでしょうか?
筋膜については学校でも学ばないし、臨床に出てからアナトミートレインの知識を付けても実際に筋膜が本当に繋がっているのかを確認出来なければいけません。
そして、筋膜が繋がっていることを自分の手で確認出来たら治療で活かすことが出来る様になります!!
目次
筋膜について簡単に動画で解説
- 筋膜の簡単な構造について
- 筋膜は全身を覆うボディースーツ
メジャーな筋膜ラインを一部紹介
筋膜の繋がりは臨床で絶対必要。
特に、メジャーはDFLとLLの2つ。・DFLは使えてなくて機能障害が起きやすい。
・LLは多用しすぎて機能障害を起こしやすい。結局人間のカラダは全て筋膜によりボディースーツの様に覆われているから、筋肉単体の評価も全身の中の局所として捉える!!
— 薬師寺 偲 Shinobu Yakushiji (@gmawgmaw) November 18, 2017
アナトミートレインでいう筋膜の繋がりは、
いくつかのラインに分類されています。
浅層のラインから深層のライン、腕の筋膜ラインなど存在しています。
その中でも、人間のカラダの構造上、絶対に無視できない2つの筋膜ラインを紹介します!!
- DFL(ディープフロントライン)
前縦靭帯 → 横隔膜 → 腸腰筋 → 内転筋群 → 後脛骨筋 → 長母趾屈筋
- LL(ラテラルライン)
頭板状筋 → 外・内肋間筋 → 腹斜筋群 → 大臀筋 → 大腿筋膜張筋 → 腸脛靭帯 → 腓骨筋群
日常からも街行く人を見ていても、体重が外側荷重になっている人の割合が非常に多く、臨床で患者さんを見ていても膝OAをはじめとして外側構成体で体重支持をしている人が非常に多いのが分かると思います。
この外側荷重というのは外側の筋膜ラインであるラテラルライン(LL)を過剰に使用して体重を支持している特徴的な指標になります。
そして、外側の筋膜ラインと拮抗した関係にあるのがDFL(ディープフロントライン)です。
LLを過剰に使用し過ぎている結果として、カラダのコアな部分であるDFLを全く使わない状態になっている人が非常に多いのが現状です。
そして、使い過ぎていても使っていなくても人間のカラダは機能障害を引き起こす特徴があります。メジャーな
だから、臨床をやっていく上での筋膜ラインで考えて評価をしていく時には、この2本の筋膜ラインはどの様な疾患の方に対しても絶対に外すことができない筋膜ラインになるのです。
筋膜の繋がりによる関節可動域制限
【筋膜の繋がりによるROM制限】
学生の時であれば、
・膝関節屈曲制限の原因が前脛骨筋と言えば起始と停止を勉強し直せと言われる。
・股関節外転の筋力低下の原因が肋間筋と言えばバカにされる。
でも、実際の臨床ではこれらの事は普通にあり得る事!!
筋肉の起始と停止だけが全てでは無い。— 薬師寺 偲 Shinobu Yakushiji (@gmawgmaw) November 19, 2017
筋膜という存在を知るまでは…
- 体幹の屈曲制限の原因が下腿三頭筋
- 体幹伸展制限の原因が前脛骨筋
- 膝関節伸展制限の原因が後脛骨筋
- 足関節背屈制限の原因が頚部筋群
こんな話を聞いた時には、正直バカげている。
そう思いました!!
しかし、筋膜の存在を知ってから、
- 頚部の症状の原因が足部にあったり
- 足部の症状の原因が体幹にあったり
そんなことが臨床ではめちゃめちゃ起きているのが事実です。
起始と停止を知っておくことはもちろんセラピストとして必要な知識ですが、合わせて筋膜の存在を知っておくことで評価や治療の幅が確実に広がります。
今回は、筋膜の話を中心にしていますが、筋膜だけでなく色んな方向から評価できる能力が必要だと感じています。
筋膜は内臓とも連結している
筋肉と内臓とも筋膜で連結している事実!!
・肝臓ー右肩関節
・心臓ー左肩関節
・腎臓ー大腰筋これもほんの一部だけど…
腎臓悪くて人工透析している人は、大腰筋の緊張高くなって腰痛になっていたり、肝臓の疲労により右肩関節ROM制限に繋がったりする。
実際に臨床でも当てはまるケース多い。
— 薬師寺 偲 Shinobu Yakushiji (@gmawgmaw) November 18, 2017
アナトミートレインの書籍では筋肉の連結している筋膜ラインしか表記されていませんが、実際は、筋膜は内臓とも連結しています。
だから、臨床では既往歴からでもどこの筋膜ラインに異常が出ているかなどもある程度であれば予測して介入することができますし、どの部位の筋力が働きにくい状態になっているかも仮設することが可能です。
筋膜ラインを使った治療アプローチ
【筋膜を使った治療の一場面】
例えば…
大殿筋が硬くて緊張取りたいけど、中々マッサージしただけでは緩まない。絶対にこんな経験あるはず!!
こんな時に、大殿筋が含まれる筋膜ライン全体が緩むポジションにセッティングして大殿筋をマッサージしてあげる。
圧倒的に緩めるスピードが変わる。
— 薬師寺 偲 Shinobu Yakushiji (@gmawgmaw) November 18, 2017
筋膜ラインを考えた治療アプローチの方法ですが…
- 筋肉に固定性を出したい
- 筋肉を緩めたい
臨床の多くはこの2つのどちらかのパターンが目的としては多いと思います。
そこで、筋膜ラインとしての考え方ですが…
筋膜はそれぞれラインで繋がっています。
つまり、ポジションによって筋膜ラインが緊張するポジションと筋膜ラインが緩むポジションを作るということが出来るということです。
ポジションを使った方が圧倒的に運動療法を行う場面にしても筋肉を緩める場面にしても効果が変わってきます!!
筋膜が繋がっていることを実際に体験する
筋肉の触診の練習はするけど筋膜の触診の練習はしたことがない。
そういったセラピストがほとんどなのではないでしょうか?
【筋膜の繋がりを体験する】
実際に、アナトミートレインの参考書を読んで、
全身ボディースーツの様に、筋膜が繋がっていることを知っていても繋がりを実際に触って理解することが1番大切。
解剖学知っていても触診できないと意味が無いのと全く共通したことが言える。
— 薬師寺 偲 Shinobu Yakushiji (@gmawgmaw) November 19, 2017
アナトミートレインで全身繋がっていると知っていているだけでは事実かどうかも分かりませんし、実際に確認してみることが必要です。そして、繋がっていることが手で感じることができれば治療場面にも活かすことができます。
知っているだけでは、解剖学の知識はあるけど骨のランドマークが触れない。筋肉が触れない。と同じ状態を意味します。
だから、筋膜も触診できる技術を身に付けることがファーストステージです。
筋膜の繋がりの触診技術を取得する
ようやく本題ですが…
まず筋膜ラインを触診していく上で大切なのは、いくら全身ボディースーツの様に繋がっているといっても筋膜ラインによってそれぞれ分類されているため、筋膜ラインで考えて触診をしていきます。
【筋膜の繋がりを触診】
・小胸筋 ー 母指球筋
・大腰筋 ー 後脛骨筋
・大殿筋 ー 長腓骨筋
・広背筋 ー 反対側の広背筋・大殿筋例えば…
小胸筋と母指球筋を触診して、母指球筋を押圧した時に小胸筋が反応しているのが分かることが大事。これが筋膜の繋がりを知る触診の練習!!
— 薬師寺 偲 Shinobu Yakushiji (@gmawgmaw) November 19, 2017
触診方法に関しては、文章で説明しても分かりにくいので、動画で解説します。
- 筋膜の触診方法についての動画はこちらから↓↓
動画では、例を挙げて解説していますが、実際にはどこの筋膜ラインでも繋がりがあれば触診をすることができます。
まとめ
- 筋膜の構造を理解する
- メジャーな2つの筋膜ラインを理解する
- 既往歴からも筋膜ラインや組織の状態を予測できる
- 筋膜の触診技術を習得する
今回は、筋膜の触診技術を中心にお伝えしましたが、今後は筋膜を使った臨床での評価や考え方。治療アプローチなどもお伝えしていきますので是非ご覧下さい!!
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