筋膜ラインアプローチ。Deep Front Line(DFL)への運動療法!!

臨床で欠かせないのが運動療法。
そして、運動療法をするポイントとして、
「どんな運動療法をするかよりも、どこを狙って運動療法を行うか。」
今回は、臨床で必要となる運動療法において、筋膜ラインに着目した運動療法をお伝えします。
目次
ディープフロントラインの運動療法(DFL)
臨床の多くの疾患の特徴として、
「身体の外側ラインを多用し、内側のインナーマッスルの機能不全がある。」
歩行にしても、他の動作にしても外側荷重になっている人は多いと思います。
この状態を筋膜ラインで考えれば、外側の筋膜ラインに依存した体重支持となっており、身体の内側にある本来使うべき、ディープフロントライン(DFL)の活動が低下しています。
つまり、治療の考え方としては…
- ラテラルラインをしっかりリリース
- ディープフロントラインを効かせる
これが出来れば、多くの疾患の予防や改善に繋がります!!
この2枚の画像ですが、
1枚目がラテラルライン。2枚目がディープフロントライン。
この2枚目の筋群を効かせる運動療法が多くの疾患において必要になってくるケースが非常に多いです。
ディープフロントライン(DFL)の筋膜の繋がり
- 頚長筋
- 前縦靭帯
- 横隔膜
- 腸腰筋
- 内転筋
- 後脛骨筋
- 長母趾屈筋
この流れで筋膜の連結があります。
そして、運動療法を行う上では、これらの筋群を効かすトレーニングを選択していくわけですが、特に重要になってくるのが、「DFLの中心付近の筋群」。
それが、
- 横隔膜
- 腸腰筋
- 内転筋群
この3つへのアプローチが特に重要になってきます!!
大腰筋の運動療法アプローチ
床で行う大腰筋トレーニング
座位で行う大腰筋トレーニング
高齢者でもリスクなく安全に行えるトレーニングも多いので是非参考にしてもらえればと思います。
内転筋の運動療法アプローチ
内転筋の特徴として、
筋力が付きにくく、筋力が落ちやすい
そのため、しっかり内転筋への運動療法も必要になってきます。
床で行う内転筋トレーニング
立位で行う内転筋トレーニング
大腰筋と内転筋の筋連結を活かした運動療法
筋肉を単体で働かせる運動療法も必要ですが、最終的には、筋膜は連結しているため、ディープフロントライン全体で機能することが必要になってきます。
つまり、筋連結を考えた運動療法も大切になってくるということ!!
横隔膜の調整方法
横隔膜に関しては、筋力を使って使えるようにするというよりは、しっかり弛緩させた状態にして周りの組織との癒着がない状態にしておくことがポイントになってきます。
そして、横隔膜も立派な筋肉のため、「横隔膜に筋硬結があると、大腰筋や内転筋などの機能不全の原因にも繋がります」。
そのため、セルフケアの方法として紹介します。
ディープフロントライン(DFL)の運動療法の補足
ディープフロントライン(DFL)の中でも大腰筋が特に大切になってきますが、大腰筋の拮抗筋は「ハムストリングス」。
つまり、ハムストリングスの機能にも着目したアプローチが必要になることがあるということです。
まとめ
臨床では、多くの原因がラテラルラインの多用から生じており、逆にディープフロントライン(DFL)である身体のインナーマッスルに位置する場所が使えていないのが現状です。
今回紹介したトレーニング方法など参考にしてもらえればと思います。
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