臨床では無視できない。ハムストリングスの身体機能への影響。

ハムストリングスが硬い人って多いですよね。
- 長座が取れない
- 前屈で床に手が付かない
- 膝が曲がっている
- 猫背になっている
こんな状態になっていないでしょうか?
身体が硬いことを甘く考えている人が非常に多いですが、特に硬くなりやすい部位をしっかりと伸張性を出しておかないと、歳を重ねるに連れて色々な身体の不調が生じてきます。
目次
ハムストリングスが硬くなる理由
ハムストリングスが硬くなる理由ですが、
間違いなく「日常生活の過ごし方」
これが大きく影響していると思います。
- テレビを見るとき
- 仕事をするとき
- 椅子に座っているとき
- 長時間立っているとき
- 家でくつろいでいる時
おそらくこういった日常生活の中で、
- 骨盤が後傾している
- 胸椎の後弯が大きい
- 膝を曲げている時間が長い
こういった人がほとんどではないでしょうか?
だから、ハムストリングスは短縮しやすい筋肉の1つになります。
じゃあ、ずっと骨盤前傾して、膝を伸展位で生活するのか?
これをするのもしんどいです。
健康意識が高い人ならやるかもしれませんが、ほとんどの人がこんなことしても続くわけがありません。
だから、
1日に10分でも20分でもいいので身体のケアをする時間を作ることが必要になってくる。
ハムストリングスの柔軟性が低下することで起きる影響
ハムストリングスが硬いと色んな悪影響が生じる。
・swayback
・Flatback
・股関節外旋位
・骨盤後傾
・猫背
・腰痛
・膝OA
・大腿直筋過剰収縮
・股関節周囲筋の機能低下
・スポーツのパフォーマンス低下高齢者〜アスリートまで共通してハムストリングスは柔らかくしておいた方が当然だけど良い。
— 薬師寺 偲 Shinobu Yakushiji (@gmawgmaw) June 14, 2018
これは、子供から始まり、高齢者やスポーツ選手まで全ての人に共通して言えることであり、
ハムストリングスの柔軟性が低下することで機能不全やパフォーマンスが低下している人は結構います。
逆にハムストリングスの伸張性がしっかりあって、動作の際にハムストリングスをしっかり使える様になると、この様な問題が生じる可能性がかなり減ります。
ハムストリングスの機能向上のポイント
ハムストリングスの伸張性を出して、使えるハムストリングスを作るには、ただ筋トレだけしていても全く意味がありません。
よく患者さんの話を聞いたり、色んなセラピストに聞く話ですが、
「伏臥位になって、足首に重りを巻いて膝をひたすら屈曲させる運動」
いわゆるレッグカールのような運動ですよね。
あの運動をやり続けても、
確かにハムストリングスの筋バリュームは増大してたくましい筋肉に見えるようになるかもしれませんが、全く動作では使えない筋肉であり、余計にハムストリングスの柔軟性を落としてしまうことも考えられます。
レッグカールのような運動は、ハムストリングスの起始部が固定された状態で、停止部をひたすら動かす動きになっています。
つまり、停止部ばかりをトレーニングしてしまうと、返って膝関節の屈曲を強めたり伸張性を低下させることになります。
ハムストリングスは起始部が重要
色々と問題になってくるハムストリングスですが、
臨床上、とても重要になってくるのが「ハムストリングの起始部」です。
- 起始部の柔軟性があること
- 起始部を伸ばしながら使えること
この2点がめちゃくちゃ大事です。
「ハムストリングス硬いと色々と悪影響出ますよ。」
って言いましたが…「起始部・停止部・筋腹」
どこの伸張性が低下しているのかを評価すること。例えば、
sway backも比較的ハムストリングスの停止部の伸張性はあるけど、起始部や臀筋群とのクロスポイントが機能不全起こしているケース多い。— 薬師寺 偲 Shinobu Yakushiji (@gmawgmaw) June 23, 2018
臨床上は、圧倒的に停止部より起始部が使えない人が多いです。
そして、多くの現代人のハムストリングスの起始部の状態として、
- 短縮したままになっている
- 遠心性収縮できない
伸ばしながら使えることが現代人のハムストリングスでは必要になってきます。
つまり、ハムストリングスのストレッチで停止部ばかりストレッチするのではなく、起始部付近のハムストリングスのストレッチを掛けてあげらられるような工夫が必要になってきます。
ハムストリングスの起始部のトレーニング
ハムストリングスのストレッチのコツ
- 骨盤前傾を崩さない
- 脊柱は伸展位をキープ
- 足関節背屈位(下腿三頭筋の伸張)
- 相反抑制を使う(大腰筋・大腿四頭筋の収縮)
- Ib抑制で伸張時は呼気を中心に行う
- ホールドリラックスを使う(ハムストリングスの最大収縮後の弛緩)
- 股関節内外旋と体幹回旋を組み合わせる
- CKCでの遠心性収縮
ポイントは、
- 内外側のどちらのハムストリングスに制限が強いかを判断すること
- バックライン全体を伸張させること
まとめ
ハムストリングスの筋力はあっても、柔軟性がない人が多いです。
毎日ハムストリングスしっかり伸ばす時間作りましょう。
今日から毎日ストレッチしましょう(๑╹ω╹๑ )
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