臨床で多い姿勢。上位・下位交差症候群について。短縮筋と伸張筋のバランスを考える!!

臨床で多い上位・下位交差症候群。
この身体のアンバランスを知ることで、評価やアプローチをしていく上で整理がしやすくなります。
今回は人間の身体のパターンの1つでもある上位・下位交差症候群について解説します。
上位交差症候群(円背・頭部前方変位姿勢)
円背・頭部前方変位姿勢(上位交差症候群)
基本的に、この赤線・青線のように短縮筋と伸張筋に分けられます。
円背姿勢のようになると、カラダの原則的に頭部も前方変位する形になっていまします。
すると、上記の画像でいう赤線のラインが短縮。青線のラインが伸張位になってしまいます。
- 赤ライン
- 頚部後面が短縮。(後頭下筋群)。
- 胸部前面が短縮。(大胸筋・小胸筋)
- 青ライン
- 頚部前面が伸張。(頚長筋)
- 背部が伸張。(僧帽筋中部線維・菱形筋)
上位交差症候群(円背・頭部前方変位姿勢)を動画で解説↓↓
下位交差症候群(腰椎前弯姿勢)
腰椎前弯姿勢(下位交差症候群)
いわゆる反り腰ですね。
下位交差症候群においても、
赤ラインが短縮筋となり、青ラインが伸張筋となります。
- 赤ライン
- 股関節前面が短縮(腸腰筋・大腿前面筋)。
- 腰部が短縮(脊柱起立筋・多裂筋)。
- 青ライン
- 股関節後面が伸張位(大臀筋・ハムストリングス)。
- 腹部が伸張位(腹直筋・外腹斜筋)。
下位交差症候群(腰椎前弯症)について↓↓
アプローチをする上での考え方
上位・下位交差症候群に対するアプローチの考え方について。
上位交差症候群、下位交差症候群にしても対角線上に短縮筋と伸張筋が生じます。
つまり、アプローチのポイントしては、
- 短縮筋 → 伸張するエクササイズ
- 伸張筋 → 短縮するエクササイズ
短くなっているところは長くする。長くなっているところは短くする。
とても単純ですが、これが重要かと思います。
人間の身体は積み木のように出来ており、頭部が前方に変位したらその分胸椎が後弯するような構造になっているので身体のどこから崩れているのか。運動連鎖が全身に影響しているのかを考えて評価していくことが大切です!!
まとめ
臨床では、上位・下位交差症候群の症例は非常に多いと思います。
そして、この対角線で短縮筋と伸張筋の関係性で評価することは重要です。
是非、臨床で参考にして頂けたらと思います!!
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