解剖学・運動学・生理学の基礎分野さえしっかり学び続ければ本当に臨床はやっていけるのか?

解剖学・運動学・生理学の主要な3つの基礎分野!!
臨床3年目までは基礎分野以外を勉強しない。
そうすると、それ以降にどういった症例がきても対応出来るセラピストになる。
基礎が大事。基礎が大事。
と言いますが…
本当に基礎分野を徹底的に勉強しておけばいい治療やどんな症例にも対応出来るセラピストになるのでしょうか?
目次
基礎分野が大事な理由
- カラダの構造を知る
- カラダの動き方を知る
- カラダの機能や作りのメカニズムを知る
セラピストは、人のカラダを診る仕事。
だからこそ、人のカラダの作りや動き方を知る必要があり、解剖学・運動学・生理学を勉強することが人間のカラダを知る上では1番近道で手っ取り早い勉強方法だと言われています。
基礎分野を徹底的に突き詰めて勉強することで、得られる結果として…
- 治せる人が増える。
- 評価が細かく行える。
- 応用が利かせる様になる。
- 原因や問題点の仮説が多く思い浮かぶ。選択肢が増える。
- 仮説が多くできる分、問題点を早く抽出することができる。
- どんな症例にも対応できる様になる。
- 目の前で起きている現象を理解できる様になる。
解剖学・運動学・生理学を突き詰めて勉強することで間違いなく、評価のスキルが上がり、数多くの仮説を立てることができ、問題点や原因を絞り出す能力は向上すると思います。
だから、解剖学・運動学・生理学を学ぶのは大切!!
基礎分野さえ学んでおけば臨床はやっていけるのか?
基礎分野が大切なことは分かったと思います。
じゃあ…
- 基礎分野さえ学んでおけば良い治療ができるのか?
- 基礎分野さえ学んでおけば臨床をやっていけるのか?
この答えは、
「NO」です!!
僕の考えですが、
絶対に基礎分野だけで臨床をやっていくのは不可能です。
基礎分野だけでは臨床をやっていけない明確な理由
では、基礎分野だけで臨床をやっていくのが不可能な理由を説明します。
例えばですが…
大腿骨頚部骨折の人の股関節伸展制限。
解剖学・運動学・生理学を勉強していて、カラダの作りや動き方が理解できているから原因はすぐに分かった。
腸腰筋の伸張性低下。腸腰筋の短縮。
腸腰筋が原因であることが分かった。
では、股関節伸展を出す。腸腰筋の伸張性を出す治療アプローチをしましょう。
あっでも、そういや…
自分は何の治療テクニックや技術もないから治せないや!!
絶対にこういった状態になります。
どういうことかというと…
「知っている・分かる」と「治せる」は全く別物。
【基礎と治療テクニックの掛け合わせ】
解剖学・運動学・生理学の基礎分野さえしっかり勉強しておけば治せる人が増えるとか言うけど…
実際に基礎分野だけでは絶対に臨床にならない。
実際に治療テクニックがないと、いくら知識があっても何も相手のカラダに変化起こせないし治すことは不可能。
— 薬師寺 偲 Shinobu Yakushiji (@gmawgmaw) December 4, 2017
いくら問題点が抽出できて、原因が分かっても、治療テクニックや治療技術がなければ、
- 相手のカラダに変化を起こすことができない。
- つまり治せない。
だから、解剖学・運動学・生理学を学ぶことで評価スキルは向上するのは事実ですが、治療技術はまた別に勉強する必要があるということです。
臨床家のための正しい勉強方法
では、セラピストとして臨床をやっていくためにはどんな勉強方法がいいのか?
- 解剖学・運動学・生理学を徹底的に勉強する
- 治療テクニックを勉強する
これが大事です。
治療テクニックというのは、運動療法でも徒手療法でも自分の評価の後の治療の際に使える技術のこと。
基礎知識と治療テクニックは掛け算です。
基礎知識の質 ✖️ 治療テクニックの質 = 良い治療アプローチ
治せる技術やテクニックがあるからこそ、解剖学・運動学・生理学の知識が本当に臨床に活かせる。
治療テクニックがないと間違いなく治せない!!
治療テクニックというのは、運動療法でも徒手療法でも…
自分の武器を持つことが重要。基礎以外にも治療テクニックを学んでいく必要性は絶対ある!!
— 薬師寺 偲 Shinobu Yakushiji (@gmawgmaw) December 4, 2017
治療テクニックや治療技術を勉強する必要はないと考える人もいると思いますが、自分は治療テクニック・治療技術は絶対に必要だと考えています。
薬師寺 偲の基礎知識と治療テクニックの勉強の割合と勉強方法
僕の基礎知識と治療テクニックを勉強する割合と勉強方法です。
勉強の割合
- 基礎分野 → 6割
- 治療テクニック → 4割
勉強方法
- 基礎分野 → 参考書や文献を読みまくる
- 治療テクニック → セミナーや講習に行く
治療テクニックは参考書を読んでも正直身に付くスキルは低いと思います。
実際に手で触れて、分かる人に直接実技形式で勉強するのが望ましいかと思います!!
あと、触診などの基礎分野に関しては触れないと意味がないので実技で勉強するのがいいですね。
動画でセラピストの臨床で必要な勉強を解説
まとめ
治療テクニックがあるからこそ、解剖学・運動学・生理学の知識が本当に生きます。
基礎分野と治療テクニックの両方を勉強することで良い治療が提供できると思うので是非参考にしてみて下さい!!
最新記事 by 薬師寺 偲 (全て見る)
- 【臨床ガチ大学】〜業界No.1のコスパで運動療法・トレーニング・機能解剖学が学べるマガジン〜 - 2020年5月3日
- 股関節の整形外科テストのコツ(股関節前面筋群の評価) - 2020年4月16日
- 教科書には書いてない。臨床で効果的な大殿筋のオリジナル運動療法。 - 2020年1月28日