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野球の「投球動作」のバイオメカニクス!!〜怪我予防とパフォーマンス向上のための身体機能とは?〜

 
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愛媛松山市の理学療法士。病院に行かない文化を作り、健康に関するリテラシーを高めることをコンセプトに、痛み・スポーツ障害・姿勢改善・動作改善のコンディショニングを行なっています。一般向け・セラピスト向けに日常生活や臨床に役立つ身体に関する健康情報などを配信しています。詳しくはプロフィールまで…
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野球というスポーツは、

  • バッティング
  • スローイング(投球動作)
  • 守備動作
  • 走塁

 

この様に、他のスポーツとは異なり、その場面、場面によって必要となる動作が異なるのが特徴です!!

 

そして、野球に必要な動作の中でも…

特に、怪我に繋がりやすかったり、パフォーマンスに関わってくるのが「投球動作」です。

 

今回は、この野球の「投球動作」について解説させて頂きます!!

 

 

投球動作の分類(動作のフェーズ)

 

  1. ワインドアップ
  2. アーリーコッキング(コッキング前期)
  3. レイトコッキング(コッキング後期)
  4. アクセラレーション(加速期)
  5. ボールリリース(減速期)
  6. フォロースルー

 

 

基本的な分類としてはこの6つの相に分けて投球動作を分析していきます!!

 

投球動作で必要な3つのエネルギー

 

投球動作を、簡単に言えば、

カラダの動きをボールにエネルギーを伝えてボールという動作です!!

 

つまり、エネルギーをどれだけボールに強く伝えることが出来るかが、

  1. 遠くにボールを投げる。
  2. 速いボールを投げる。

 

これらのポイントとなってきます!!

 

そして、このエネルギーというのが、

  1. 並進運動
  2. 回転運動
  3. 腕の振り

 

この3つでボールに伝えるエネルギーを生み出します。

 

  • 並進運動とは、投手でも野手でも投球方向に重心移動するためステップ動作を行うことであり、ポイントとしては、重心移動するためにステップを出した脚と一緒に体幹や投球側の上肢、頭部が前方に突っ込まずに後方に残した状態で並進運動を行うこと。この様な並進運動が行えると、エネルギー効率が良い投球動作に繋がります!!

 

  • 回転運動とは、ステップ側の脚の股関節を中心に、股関節上で骨盤と体幹の回旋が行われること。そして、この回転運動も骨盤を縦に回転させることがポイントであり、真横に回旋してしまうと、カラダの開きが早くなってしまい、肩関節や肘関節にストレスが掛かってしまいます。また、胸椎を伸展位で回旋することが重要になっていきます!!

 

  • 腕の振りに関しては、上記の並進運動と回転運動に伴って動くものです。だから、肩関節のみの運動ではなく、腕の振りも全身運動であり、「並進運動」と「回転運動」を上手く使うことが出来れば、遠くにボールを投げたり、速いボールを投げることが可能であり、肩関節や肘関節への負担も軽減します!!

 

 

 

投球動作でまず着目するべき3つの関節

 

 

  1. 脊柱
  2. 肩甲骨
  3. 股関節

 

肩関節や肘関節に問題を抱えている選手のほぼ100%と言ってもいいくらいにこの3つの関節のどこかに可動域制限や筋力低下などが生じています!!

 

だから、投球動作を診ていく上でまず評価していく優先順位としてはこの3つが重要です。

 

そして、もう少し細かいことを言えば…

  • 脊柱であれば、第4〜5胸椎レベル。
  • 肩甲骨であれば、肩甲胸郭関節。
  • 股関節であれば、股関節内旋。

 

ざっくりしていますが、

これらの動きが重要になってきます!!

 

投球動作を各フェーズから診た時の問題

 

 

  • ワインドアップ期

ワインドアップ期は、並進運動でエネルギーを生むために、投球方向への体重移動をしやすくするように、重心移動をコントロールすることが求められます。特に問題になる動きとしては、「骨盤の後傾」。野球において骨盤後傾は様々な問題を引き起こす問題に繋がってきます。例えば、ステップ側の腸腰筋が筋力低下していて骨盤後傾を代償に使用する場合などは、股関節外旋が伴いやすくステップ側の脚の股関節を内旋位で使うことが困難となります。それによって「身体の開き」や「肘下がり」に繋がるため、まずワインドアップ期は、骨盤を前傾で使えるようになることがポイントとなってきます。

 

  • アーリーコッキング(コッキング前期)

アーリーコッキングの際に最も必要となるのは、テイクバックの時の「身体のタメ」。アーリーコッキング時の支持側になる軸脚で生じる骨盤の回旋運動、体幹の回旋運動、ステップ側の下肢の股関節内転・内旋運動、投球側上肢の肩関節内旋+伸展運動、前腕回内運動がテイクバック動作。テイクバック動作と並行して投球方向に並進運動への並進運動が行えることで、「身体のタメ」が生まれます。逆に、上記の下肢や体幹、上肢に機能障害があるとタメが作れず、身体の開きが早くなったり、肘下がりに繋がってきます。

 

  • レイトコッキング〜アクセラレーション

投球動作のフェーズの中で、最も問題が生じやすいフェーズがこのレイトコッキング〜アクセラレーションです。特に、肩甲上腕関節の過剰な水平外転や外旋運動による後方組織のインピンジメントが生じやすい。この相では、肩甲骨を内転位に保持した状態での上方回旋と肩関節外旋の動きが必要になってきます。レイトコッキング〜アクセラレーションの問題も1つ前のフェーズであるアーリーコッキングの時期に身体のタメが作れていないケースが非常に多いです。

 

  • ボールリリース〜フォロースルー

ボールをリリースしてボールが手から離れる時期。この時期には、肩関節が水平内転+内旋する時期であり、肩甲上腕関節の過剰な内転と内旋の動きが問題に繋がってきます。また、後方の間接包などの組織に拘縮があるとフォーロースルーの際に伸張ストレスが生じ、痛みに繋がるケースがあるため、後方組織の柔軟性。肩甲上腕関節の負担軽減のための肩甲骨の外転+前傾の動きが求められる時期になります。

 

 

各関節から見た野球の「投球動作」に必要な身体機能

 

 

野球で重要な関節は…

  1. 脊柱
  2. 肩甲骨
  3. 股関節

 

この3つが重要だとお伝えさせて頂きましたが、

より細かく関節別に見るともっと必要な関節の動きを獲得出来ている必要があります!!

 

 

  • 肩甲骨

まずは、肩甲骨を診ていく時に、多くの人は、上方回旋・下方回旋、内転・外転という位置関係を評価する人は多いと思いますが、野球では、前傾・後傾の動きがとても重要になってきます。特に、後傾の動き。

肩甲骨後傾の動きは、胸椎が伸展しなければ生まれない動きであり、身体全体が協調的に働くことで肩甲骨後傾を作ることが出来て肩関節を挙上位で使うことが可能となります。

 

  • 脊柱

脊柱は、何と言っても胸椎の伸展。そして、胸椎の中でも第4〜5胸椎の柔軟性が野球では必要であり、この第4〜5胸椎を動かせることで肩甲骨や肩甲胸郭関節のコントロールにも繋がってきます。

野球だけに限らず、胸椎の伸展を作れないスポーツ選手は非常に多いので着目して診ていく必要がありますね!!

 

  • 胸郭

胸郭は、肋骨と胸骨と胸椎レベルの脊柱で構成されています。つまり、このどこかに制限があると胸郭の柔軟性が低下するということになります。

特に、腹斜筋群や大胸筋や広背筋や僧帽筋が胸郭の動きの制限に繋がるので、まずは胸郭周囲に付着する筋断面積が大きい筋肉を見ていく必要がありますね!!

 

  • 股関節、骨盤

股関節と骨盤に関しては、伸展と内旋の動きが大切になってきます。屈曲と外旋よりは明らかに重要なのが伸展と内旋の動きです!!

投球動作であれば、ステップ側の脚は股関節内転・内旋位で使える必要があり、軸脚の方は股関節伸展機能が必要になってきます。

 

野球に必要な重心コントロール

 

 

野球のバッティングにしろ、スローイングにしろ、

 

結局は、身体の動きの中で作ったエネルギーを、

  • どれだけバッドに伝えることが出来るか。
  • どれだけボールに伝えることが出来るか。

 

これによって速いボールを投げることが出来たり、強い打球を打つということに繋がってきます!!

 

 

そして、重心コントロールのポイントがあって、

 

常に胸椎を伸展位で使えることが、バッティングにしてもスローイングでも求められる身体機能になってきます。

 

「投球動作」を一連の流れで簡単に解説

 

 

筋膜ラインなど身体の連結から見た投球動作についても解説しているので参考にしてもらえればと思います。

 

筋膜ラインであれば、

  1. スパイラルライン(SPL)
  2. ファンクショナルライン(FL)

 

この2つの筋膜ラインが重要になってきます!!

 

まとめ

 

現場で、スポーツ選手を診る機会がある人には是非参考にして頂ければと思います。

 

意外と、どのスポーツにも共通した身体機能が必要だったりするので今回紹介させてもらった内容で他の競技の選手にも活かしてもらえればと思います!!

 

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